アクアミカ(AQUAMICA)について(資料提供:AZ Electronic Materials) 資料のすべてはこちら(PDF)  前のページに戻る

 

■アクアミカとは(以下抜粋)

AZ社のみにより製造される「パーヒドロポリシザラン」という独自物質が大気中の水分と反応してシリカガラスに転化するすることを利用しています。アクアミカは、主成分パーヒドロポリシザラン、有機溶媒、少量の触媒により構成されます。

シ リ カ へ の 反 応 メ カ ニ ズ ム

 

塗膜密度の変化

●スプレーガンやウェスによる手塗りなどで、塗布することができます。塗布後常温5分くらいの放置で、有機溶剤を揮発させれば、その自己架矯性の強さから、即指蝕乾燥状態になります。

 

 

 

 

●その後、目に見えませんが、大気中の水分と猛烈な勢いで反応します。シリカガラスに転化するまでの時間は、気温や湿度などの環境に左右され、図1に示すように、平均的な環境下では、約2週間で密度2.0のシリカフィルムとなります。(理想的な石英ガラスの密度は約2.2)。

 

アクアミカの赤外吸収スペクトル

(乾燥直後)

●←図2に、アクアミカの赤外吸収スペクトルの変化を示します。Si(珪素),N(窒素),H(水素)のみから構成されるアクアミカが、Si(珪素),O(酸素)から構成されるシリカガラス(SiO2)へ変化しています。Si-Me(メチル)などの有機成分は存在せず、正真正銘の完全無機膜を形成します。

 

 

●ここで特徴的なことは、骨格のSi-N結合がSi-O結合に変わっていくというユニークな反応であると同時に、基本構成単位の分子量が60/40=1.33で計算される通り、増加する点です。この現象は膜質(硬さ)に対して有利に働きます。

 

 

アクアミカの赤外吸収スペクトル

(シリカガラスへ転化後)

●アクアミカでコーティングすることで、さまざまな基材表面を、通常1ミクロンいか、という薄いガラス膜で覆うことが出来、ガラスのもつ硬さ、耐久性、親水性などを発揮することができます。これにより、①汚れをプロテクトする防汚、②金属の腐食を防止する防食、③基材の傷を防止する防傷、などの機能を得ることができます。

 

 

 

 

 

密   着   性

密着性

●アクアミカは非常に活性で、塗装成分のOH、COOHなどの官能基と科学結合すると同時に、アクリルやウレタンなどの樹脂と相溶するため、高い密着性が得られます。金属やセラミックなどの最表面も同様にOHの存在により密着性が高く、樹脂に対しても、極性基の存在によりよく密着していると考えられます。

 

 

 

 

 

 

膜  の  構  造

膜の構造(写真1)

●写真1←は、電子顕微鏡によってコーティングの断面を観察したものです。緻密な薄膜がきれいに基材に密着していることがわかります。

 

XPSによる深さ方向の元素分析結果

(図3)

●図3↓は、ZPSにて深さ方向を元素分析した結果を表します。有機成分(C)を含まず、Si,Oのみから構成されることがわかります。

 

 

 

 

 

●用途と基材(の粗さ)によって必要な膜厚は異なります。例えば、塗装面上の防汚コーティングでは、0.05~0.2ミクロンという極めて薄い膜厚で効果を発現しますが、金属の防食コーティングでは、0.5~1ミクロンの厚さが必要となります。

膜  の  性  能

①表面硬度

アクアミカの最大の特徴である防汚性は、それのもつ表面硬度に起因しています。自動車ボディにつく水垢のように、柔らかい塗装表面には汚れが中に入ってとれにくくなります。アクアミカによる薄いシリカガラス膜がこれをプロテクトします。この裏づけとなるデータが図4です。これは、1ミクロン程度の薄膜の本質的な硬さと弾性率を測定することのできるナノインデンター()という特殊な装置によるデータです。高温焼成させたアクアミカは、ソーダガラス以上の硬さを示し、常温で1ヶ月硬化させたものでも、ガラスの半分程度の硬さにまで達しており、既存のハードコート材と比べても、圧倒的な違いを証明しています。この性質を利用して、膜厚を調整すれば、耐傷性向上にも利用できます。

 

 

 

 

 

 

鉛筆硬度とは異なります。鉛筆硬度は塗布した基材の硬さに大きな影響を受けます。基材を含めた一種の破壊試験です。

 

 

 

 

②親水性

親水性とは、物質の表面が水になじむ、濡れやすいということです。この性質を持つ表面は、雨、水洗いなどで、汚れが落ちやすい状況を作り出します。親水性は通常、対水接触飼角でその程度を表し、塗装の業界では、40度程度以下を親水性と呼んでいます。図5にアクアミカの接触角を示します。親水促進剤の併用で、10~20度という高い親水性をを塗布後速やかに得ることができます。

 

③耐久性↓

 

④耐酸性↓

 

⑤バリア性↓

 

 

 

 

 

 

 


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